2020年3月28日(土)NHK朝の連続ドラマ『スカーレット』が最終回を迎えました。
次の朝ドラ『エール』からは働き方改革の一貫で土曜日の放送はないので(その週の総集編が放送されるとも)本日の放送が最後の土曜放送となりました。
半年間、滋賀県信楽の陶芸家、神山清子さんをモデルとした女性と周りの人々の人生を描いた、熱く、でも淡々とした日々を力強くも細やかに表現されたドラマを観ることができ、毎日楽しませていただきました。
今、リアタイ含め4回目の最終回を観返している最中です。
“人が生きていくということ”を考えさせられたドラマでした。
今回は、『スカーレット』最終週「炎は消えない」(最終回)の感想を述べさせていただきます!ネタバレを含みますので、観終わってから読んでいただけると嬉しいです。
『スカーレット』最終回、みんなと日本一の湖へ
喜美子「武志、日本一の湖や。よー見とけ。こっちの心もおおきなるで」
武志や喜美子、直子、百合子、照子、信作、武志の友人たちと琵琶湖に出かけるシーンで始まります。
思えば『スカーレット』の第一話も、おとうちゃんが娘たちと琵琶湖を見るシーンがありました。
第1話と対比したバックショットのカット。 #スカーレット pic.twitter.com/sk9Bt6i5yh
— ひぞっこ (@musicapiccolino) March 28, 2020
広い広い琵琶湖。海のような。
その姿は『スカーレット』の物語の背景に常に、見えない時も存在していたように思えます。
人々の喜怒哀楽を見守っているかのように。
キャストのみなさま、スタッフのみなさま長期間お疲れさまでした!
この作品に関わらせていただき、本当に本当に幸せな毎日でした…!#スカーレット pic.twitter.com/cYHgVt80hO— 朝ドラ「スカーレット」最終週 (@asadora_bk_nhk) March 28, 2020
『スカーレット』最終回、武志の恋愛と死
4月、武志は姪っ子たち(さくら・もも)のピアノの発表会を観に行く約束を果たすことが出来ました。
彼女(石井真奈さん)と一緒に。
直子が、恋愛したっていいやん!とストレートに武志に言った影響もあるのか、真奈さんとはちゃんと付き合ってるようですね。
川原工房に場面が移り、陶芸のシーン。武志は陶芸中。喜美子もいて、ふたりとも作品を作っています。武志を見つめる喜美子。
喜美子「ぎゅーしたろか。ぎゅーしたる」
武志「ええにきまってるやん。あー待って、嘘!」
武志をぎゅーっと抱きしめる喜美子。
ギューッとする
武志「幸せや。幸せやで」
喜美子「幸せか」
武志「幸せや。ありがとうな」
武志はドラマとはいえ、本当にいい子ですよね。
サバサバとした性格の喜美子ですが、愛情が常に溢れていました。
母と息子の、最後のシーン。
「ぎゅうしたろか、ぎゅうしたる、
ぎゅうしてええ?」
武志を抱きしめる喜美子武志「幸せや、幸せやで、幸せや」
喜美子「幸せやな」見ていて涙が止まらなかった。
私もスカーレットを半年間
見ることが出来て幸せでした。沢山の感動を
ありがとうございます。
#スカーレット最終回 pic.twitter.com/coLvuihLs5— kei🍀自由気ままに🍀 (@keiharunohikari) March 28, 2020
白血病末期の姿はドラマでは描かれることはなく、二年後と表示され・・・・・
武志は26歳の誕生日を前にして旅立ちました。
『スカーレット』最終回、喜美子と大崎先生がお皿を作る
大崎先生が川原工房を訪れます。
喜美子が作った大皿に、大崎先生が釉薬をかけ模様付けします。
大崎先生は釉薬をかける直前に、武志が無くなる3日前、武志と手を握り、強く握り返してくれたことを話します。
大崎Dr.の語る武志。
亡くなる3日前、集中治療室。
大崎「目を少し開けて、手が動いたので、大丈夫だよって手を握ってあげたら、握り返してくれた。意外にも力強くて凄いなって。こっちも両手でそっと握り返して握手をしたんです」
武志のありがとうのギュー😢
最期までええ子やな😢#スカーレット pic.twitter.com/xy7vrAQQJ9— しまりす (@s_a0621) March 28, 2020
助かる可能性が極めて低い患者をたくさん看取ってきた大崎先生。
つらい状況の患者や家族の前で、揺るぎない姿勢を見せ続けてきた大崎先生。
喜美子や武志、多くの人達の支えとなり、ひとつの道標としての大きな存在だっただろうと思います。
『スカーレット』最終回、貴美子と八郎が縁側で語り合う
八郎と喜美子が縁側でみかんを食べながら、話をします。
喜美子は武志に「絶対死なさへん」と言ったことを、自分のエゴだったと振り返ります。
喜美子は自分の悪いところを自覚していたし、エゴだって後悔してる
見てる方がヒロインに対してこれはどうなの?そんなのあり?って思う朝ドラいっぱいあった
でもそれを客観的に認めてドラマ内で自省したヒロインいただろうか喜美子、私は好きだよ
エゴで武志にそう言った喜美子が pic.twitter.com/PQrHnAebkW— みつばちーな (@youmehe825) March 28, 2020
これは色々な考え方があるでしょうが、喜美子はエゴだったと捉えているのですね。
「エゴやな、うちの悪いとこや」この台詞をヒロインにしかも最終回で言わせるのはちょっと他の作品には真似できないと思う。家族を捨ててまで穴窯を選んだあの時の、エゴ剥き出しのヒロインだとドン引きされていたあれをも最終回で回収していったんだよ…すげぇよ…
— こぐま (@in_july2018) March 28, 2020
八郎は武志が生まれた時、嬉しくて嬉しくて、お義父さんと赤松に行って飲み明かしたことを話します。
武志誕生の喜びを、一生懸命、喜美子に伝えていました。
そして、武志が「産んでくれてありがとう」と言っていたことも。
「産んでくれてありがとう」
武志が亡くなったタイミングではなく、
喜美子にとって一番必要なタイミングでそれを伝える八郎。
紆余曲折あったけど、喜美子に八郎がいてくれて良かった。#スカーレット pic.twitter.com/goE1LJu432
— kaco.yu (@kaco_yu) March 28, 2020
このあと八郎は、長崎に卵殻磁器を学びに行くことを話します。(おそらく、卵の殻のように薄い素地の、中国明代に作られた精緻な磁器のことを言っていると思います)
喜美子は発破をかけるように、いつものカラッとした会話で八郎を応援します。
ふたりは一緒に暮らすことは選ばないのですね(いつか時が経てばわからないですが。でも、それも喜美子と八郎らしいかも)
仲間、同志というのがふさわしいでしょうか。とにかく、大切な存在であることは間違いないですよね。
なにかあったら、お互いすぐにかけつけて、助け合えるんでしょうね。他人だけど家族。遠いけど近い、どうしようも無くなった時は、もたれかかれる相手。
『スカーレット』最終回、照子や百合子たち仲間とともに日々は続く
照子は相変わらず元気に家庭菜園の野菜を喜美子に持ってきたり、百合子は育児をしつつ義理のご両親と喫茶店を営みながら、近々ママさんコーラスをすると話したり。
信作は八郎に会いに、1人で長崎に行ったようです。
みんな、それぞれの日常を過ごし、淡々と生きていく。
でも、そんな人生の中に、耐え難いことやどうしようもないことは当たり前のように起きて、でも命がある限り食べて眠って人と話して、変わらない繰り返しのなか歳を重ねていく。
私は、喜美子が登窯での作品作りを、借金を重ねて炎と向き合って限界の中でようやく成功させたシーンが忘れられません。
静かな気迫や情熱が伝わってきて、とても濃厚で、自分にとってとても見ごたえがあり、『スカーレット』の数ある名場面のなかでも思い出すと涙が出そうになるし、こんな強い想いを自分も少しでも持ちたいと感じます。
その成功は喜美子と八郎を決別させたけれども、人の人生の中で、大きなパワーが動いた時だったんだろうとゾッとするような感動するような。
そして、人間臭いおとうちゃんや、大阪での完璧な家事を仕事にしていた日々も大好きでした。
ドラマの主人公関係なく、それぞれの生活や人生を感じさせてくれたこのドラマは、観終わった後ジワジワとくるものがあり、力をくれました。
喜美子の、自分を表現できる天職を持っていることやカラッとしながら愛情溢れる性格、強さは憧れます。
観続けてよかったです、『スカーレット』
#スカーレット 最後に喜美子が作陶して穴窯で焼いていた陶器。菊紋のような車輪のような模様は モデルの神山清子さんが実際に得意としている模様。第1話でこれがリアカーの車輪に繋がったように、このドラマでは回る車輪を象徴し、前進を続ける喜美子の姿のメタファーとして使われてるように思われる。 pic.twitter.com/ZKEdNfDman
— ひぞっこ (@musicapiccolino) March 28, 2020
『スカーレット』みんなの感想
みんなの感想をいくつか集めました。
ひとことで言うなら、本当に上質なドラマだった。
朝ドラはここ10年だいたい見てきたけど、他のどれとも違う。
一人ひとりの人物造形も、それを演じる俳優さんたちも、脚本も演出も、すべてのクオリティが高く素晴らしかった。
このドラマに出会えてよかった。
半年間ありがとう。#スカーレット— yuzu@湖 (@IQllDwHhkzHLcGc) March 28, 2020
#スカーレット 最終回、今までの物語がスッと心に染み渡った気がしました。
引きずらない、けれど深く心に刻まれる。
役者、脚本、音楽、美術、撮影、全てが好きでした。好きちゃうわ!!大好きや…!!
喜美子のこと一生忘れません。
ありがとう!!✨スカーレット🔥💕 pic.twitter.com/YkYmFCKgNs— 塩 (@EuwhSgtH6Un7dnG) March 28, 2020
スカーレットは女の生き方を否定しない。
夫を捨て自分の夢に邁進した喜美子。
家族に尽くした照子や百合子やマツ。
自由奔放に逞しく生きる直子。
仕事に人生を捧げるちや子。
どんな生き方を選ぼうと、あなたの人生はそれでいいのだと励ましてくれるドラマだった。— forever love (@forever95123656) March 28, 2020
朝ドラの「スカーレット」の最終回でした。以前に紹介しましたが、主人公、河原喜美子のモチーフ、女性陶芸家の草分けの神山清子さん。清子さんは、息子が白血病を発症すると、日本にはまだなかった骨髄バンク設立の運動に親子で立ち上がる。喜美子もたくましかったが、このインタビューもぜひどうぞ。 pic.twitter.com/mCBhG9Uodm
— 宮本徹 (@miyamototooru) March 28, 2020
結局これしか描けてないんですが、何ていうか、こう、全部の場面に等しく意味があって、選べなかったんですよね…。゚(゚´ω`゚)゚。
好きやでスカーレット…#スカーレット pic.twitter.com/2KsZht36w5— 南天(出浦党 アンナチュラルなパセリ) (@nantengoh) March 28, 2020
最終回の戸田恵梨香さんの表情。武志を失っても作陶への情熱を燃やす意志の強さが瞳に宿っていて恐ろしいほどの美しさ。#スカーレット pic.twitter.com/1ab2ddZKVl
— ねこすけ (@nekotanosuke) March 28, 2020
いつも通りの生活の中での武志の「幸せや」で涙がばぁんと目から飛び出し、武志の最期の日々を話す大崎先生と喜美子に涙し、夫婦の道が分かたれたあの日と同じ縁側で、愛息を亡くした父母が蜜柑を手に静かに語らう姿に泣いた。先に逝った人々を愛おしみながら日々は続く #スカーレット
— ぬえ (@yosinotennin) March 27, 2020
ラスト、また冒頭のように穴窯と向き合う喜美子で締めくくりか。でも、あのときの狂気のような表情とはまた違って、色々な事を噛みしめた上での『1日1日を生きていく』決意が感じられた。炎に始まり炎に終わる、スカーレットありがとう。#スカーレット
— しましま(朝ドラ/大河) (@shima_asa_dra) March 27, 2020
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。