『りんごかもしれない』『ぼくのニセモノをつくるには』などで知られるヨシタケシンスケってどんな人?
私はヨシタケシンスケさんを一躍有名にした『りんごかもしれない』で、こんな作家さんいるんだ!と初めて存在を知りました。
テーブルに置いてあるりんごが、実はりんごじゃないのでは・・・
じつはなにかのタマゴかもしれない。
なかはメカがぎっしりなのかもしれない。
そだてるとおおきないえになるのかもしれない。
その“かもしれない”はとどまることを知らず、可愛いイラストとともにどんどんどんどん広がっていきます。
「久しぶりにこんな面白い絵本読んだ!」
大人の私も夢中にさせる、楽しい楽しい絵本。
これを描いたヨシタケさんは、1973年生まれ。
筑波大学大学院芸術研究科総合造形コースを修了されています。
『りんごかもしれない』でMOE絵本屋さん大賞1位を獲得、第61回産経児童出版文化賞美術賞を受賞。
『ぼくのニセモノをつくるには』で第2回長野県本屋大賞CONTEMPORARY部門を受賞されています。
ほっこりとしたイラストの絵本やイラスト集を作られている、二人のお子さんのお父さんです。
本への愛が溢れそうな人には、『あるかしら書店』のアイデアは楽しすぎる!
とある町はずれの一角に、あるかしら書店はあります。
あるかしら書店は本にまつわる本の専門店なんです。
店のおじさん(丸っこくてとても可愛い)に、「○○についての本ってあるかしら?」ってきくと、たいてい「ありますよ!」と言って奥から出してきてくれます。(おじさん優秀!)
たとえば、「ちょっとめずらしい本ってあるかしら?」と聞くと、色々出してきてくれます。
めずらしい本、『「作家の木」の育て方』
作家の木、すごいんです。
1.好きな本の間にタネをはさんで土に埋めます。
2.毎日いろんな本を読みきかせて大事に育てます。
3.毎年「読書の秋」になると、本が実ります。(実をつけるまで何年もかかる木もあります)
上手に作家の木を育てると、“10年に一度の出来のミステリー”なんかもできるそう。どんな傑作なんだろうなぁ(笑)
私が欲しいのはこれ!!
『カバー変更器』
「本にまつわる道具ってあるかしら?」とお客さんにリクエストされておじさんが出してきた便利な道具!
急な来客時に見られるとハズかしい「楽してもうけるコツ」なんて本が、パンが飛び出してくるトースターのような機械に入れると、「利益創出の効率化」ってふうに、頭よさげなカバーに変えてくれるのです(笑)
「今すぐ転職したいあなたへ」というような会社で読みにくい本も、カバー変更器にかかると「新しい景色を求めて」に変わっちゃう。
これで昼休み、上司が近くにいても堂々と読めますっ。
欲しーい。
ほんとにあってほしいユニークな本、本に関する奇想天外なアイデアが、やはり可愛いイラストとともにどんどん広がっていきます。
大人が読んでも楽しいヨシタケシンスケの絵本の魅力を、存分に味わえます。
ホロッと泣けるヨシタケシンスケの絵本たち。
あるかしら書店も、『水中図書館』というエピソードは妙にぞくぞくし、考えさせられ、なんだかジーンとくるのですが、ヨシタケシンスケの絵本、『このあとどうしちゃおう』は泣けました。
おじいさんが死んだあとどうするかの、これまた様々なアイデアが登場するのですが、優しい心境で“死”を考えることが出来ます。
子どもにも全然早すぎることは無いと思います。
大好きな人、大切な人が死んだら、なにをしてあげたいか。
おじいさんはどうしてほしいか。
自然に涙が出てきました。
まとめ
とにかく様々な自由で奇想天外で楽しい発想を、ほっこり可愛いイラストとともに読んでいくことが出来ます。
子どもも大人も夢中になれる絵本。
プレゼントにもいいと思います。
ふとした時に、本棚から出して読みたくなる絵本になると思います。