お正月に知っておきたい雑学をまとめました。楽しんでいただけるように、一部クイズ形式になっています。(随時増やしていきますね)
楽しく知識をつけ、日本の伝統を理解していけたらいいですね。それではご紹介します。
①しめ飾り
年神様を迎える準備ができた印になります。
※諸説あります。
②鏡餅
年神様へのお供え物であり、依り代となります。※諸説あります。
依り代:神様がお過ごしになる場所。
おもちに“鏡”がつくのは、昔から鏡には神様が宿るとされているから。
御神体としての鏡を鏡餅で表しているとのことです。※諸説あります
③お屠蘇
お正月に家族で飲むお酒のこと。
お正月クイズ!
お屠蘇は何を飲む?
A: 純米酒 B: 甘酒 C: 薬草酒 D: 焼酎
答 C:薬草酒
生薬を漬け込んだ薬草酒で、日本酒やみりんに5種類から10種類の生薬を漬け込んだもの。
お屠蘇は日本酒を飲むものとばかり思っていました!薬草酒を作るのが面倒な人のために、スーパーで屠蘇散(数種類の生薬を調合したティーバッグ)というものが売られているそうです。
屠蘇散(とそさん)ショウガ・シナモン・サンショウなど5~10種類。お酒やみりんをまぜたものに一晩つける。
お屠蘇にはそもそもどんな意味があるかというと、「邪気を屠り魂を蘇らせる」
中国から伝来した習慣で、一年間の邪気を払い長寿を願って呑むとのこと。
だから、お屠蘇のとの字は屠る(ほふる):からだを切りさく、敵を破るという、物々しい感じが使われるのですね。
お屠蘇は通常、家族で一つの盃を回し飲見ます。そこで、クイズです!
お正月クイズ!
お屠蘇を一番最初に飲んだほうがいいのは?
A:年長の祖父 B:一家の大黒柱 C:厄年の母 D:末っ子の娘
答 D: 末っ子の娘
お屠蘇というのは、若い人の生気を年長者に渡すもの。あるいは毒味の名残という説もある。※諸説あり。
中国伝来の正月のしきたりだそうです。
お正月クイズ!
お屠蘇を一番最後に飲むのは誰?
A:年長の祖父 B:一家の大黒柱 C:厄年の母 D:末っ子の娘
答 C:厄年の母
厄年以外の人が口にした盃には厄を払う力があります。ですから、厄年の人はそれを最後に飲みのです。
地域によって違ったり、各家庭の伝統があったりするので、こうしなければいけないということはありません。
年長者から先に飲み、若い人たちに分け与えるというところもあります。
④おせち料理
おせち料理のクイズからスタートです。簡単ですよ。
お正月クイズ!
なんでお正月におせち料理を食べる?
A:神様の好物だから B:家事をしないため C:子どもに食材を教えるため D:特に理由はない
答 B: 家事をしないため
正月三が日は、主婦が家事を休む期間です。
お正月の言い伝えで、“正月には各家のかまどの神様がやってくる”というものがあり、聖なる日を汚さないように、三が日はかまどの日を使わないようにします。
なのでおせち料理は大晦日のうちに作り、煮物や焼き物など日持ちする保存食が多いんです。
ちなみに、あたたかいお雑煮やおもちは火鉢を代用し作っていました。
おせちは、なんで「おせち」っていうのでしょうか?
おせちは実は、お正月だけのものではありませんでした。
おせち=お節 季節の節。昔はせちと言いました。
神様に季節季節のお供えした料理を「おせちく(御節供)」と呼んでいました。
「おせちく(御節供)」➡神様にお供えした料理なので、正月に限ったことではありませんでした。
おせちという呼び名が正月料理として定着したのは、企業戦略だったのです!
実はデパートの戦略で、おせちという名前で売り出して、「正月といえばこれですよ~」とし、それがすっかり定着したようです。
昔のおせちの呼び方は食積(くいつみ)といったそうです。なのでデパートの戦略以前は食積(くいつみ)という呼び方をしていたとか。うーん、余裕で知らなかった。
⑤お雑煮
お正月になぜお雑煮を食べるのでしょう?
神様にお供えした餅・野菜を正月にみんなで食べることで、1年間健康でいられますようにという願いが込められており、平安時代からすでにこの風習はあったそうです。
本来の雑煮は、新年最初に川から汲んだ水と、新年最初に起こした火で煮込んだと言われています。 ※諸説あります
お雑煮はその土地で採れた特上の食材を使用します。なので究極の地産地消料理とも言われています。※諸説あります
ところで、雑煮のおもちの形は地域で全然違います!
四角の地域、丸の地域があります。関西風 ○ 関東風 □
形だけでなく、○を焼く・煮る □を焼く・煮るも地域差があります!
実は形が違うのにも理由が!そもそも、昔は全国丸モチでした。しかし江戸時代の江戸は人口が多く、丸くするのが手間だったため切り餅を使うようになり(餅を出す➡のし餅➡切って大量生産)これが東日本で広まったとも言われている。
実は、味付けも地域によって全然違います。
角餅すまし、丸餅白みそ、丸餅赤みそ、あずき汁、丸餅すまし
鳥取県や島根県、特に沿岸部で食べられているのが小豆雑煮➡あずきを出汁で煮込むもの。甘くないそうです。
他に変わった雑煮といえば、香川県にはあんもち雑煮というのがあります。汁は白味噌。
おもちの中にあんこが入っており、全体的に甘辛い。さっぱりしたお汁粉みたいな味。白味噌とすごく合うんだとか。
⑥お箸
お箸に関するクイズです。
お正月クイズ!
新年に使うと縁起がいいといわれているこのお箸の名前は?
答 祝い箸(おめでたい席で使われる箸)
お正月クイズ!
祝い箸はなんで両方使える?
A:片方は神様用 B:片方はもち専用 C:家族で使い回す用 D:ただのデザイン
答 A: 片方は神様用
神人共食(しんじんきょうしょく)といって、神様と人間が同じ食事を味わうという考えがあります。
箸の長さも決まっていて八寸(24cm) 末広がりで縁起がいい。
中ほどが太めなのは、米俵を意味し五穀豊穣を祈るためだから。
箸袋も実は大事で、神様と同じお箸なのだから、三が日は同じお箸を使いなさいということになり、箸袋に名前を書いて三が日のあいだは自分で管理します。
⑦お風呂
実は元日はお風呂に入ってはいけません。
お正月クイズ!
なぜ元日のお風呂はダメなのか?
A: 神様はお風呂が嫌い B: 福が洗い流されるから C: 風呂の水で洗濯するため D: 裸になってはダメ
答 B: 福が洗い流されるから
せっかく年神様が家に来てくださっているのに、いろいろな福をもたらしてくださったのに、福をお風呂に入って洗い流してしまうのはよくないと昔の人は考えました。
同じような理由から、洗濯もダメです。
さらに掃除も福の神を掃き出してしまうので、三が日は掃除をしません。※諸説あります。
三が日は刃物を使ってはいけないということも言われます。包丁で切る=神様・家族と縁を切ることに繋がるから。
そして、爪を切るのもダメなのです。
⑧初夢
初夢はいつ見た夢のことでしょうか?
年明け、よくこの話題になりますよね♪
辞書にもちゃんと書いてあるんですよ。
お正月クイズ!
初夢はいつ見た夢のこと?
A:大晦日の夜 B:元日の夜 C:元日か二日の夜 D:その年に初めて見た夢
答 C: 元日か二日の夜
【初夢】元日の夜見る夢また正月2日の夜に見る夢 広辞苑第七版より
初夢とは、夢の内容から1年の吉凶を占う日本古来の風習です。
一富士➡無事・不死 二鷹➡高い 三茄子➡成す
いい初夢を見るための風習があります。おまじないのようなものですが、枕の下に○○を入れるのです。
何を入れるのでしょうか?
答は、七福神を乗せた宝船の絵。
さらに、こちらを三回となえるといいと言われています。
なかきよの とをのねふりの みなめさめ なみのりふねの をとのよきかな
七福神が波を越え船でやってきて幸福を授ける様を詠んだ歌で、縁起のいい文です。
お気づきでしょうか、回文になっています。
回文(かいぶん)とは、始めから(通常通り)読んだ場合と終わりから(通常と逆に)読んだ場合とで文字ないし音節の出現する順番が変わらず、なおかつ、言語としてある程度意味が通る文字列のことで、言葉遊びの一種である。
ちょっとした遊び心ですね。誰が詠んだかはわかっていないそうです。
⑨お年玉
クイズからスタートです。
お正月クイズ!
昔のお年玉は何をあげていた?
A: 昔からお金 B: おもち C: みかん D: 紙の札
答 B: おもち
おもちからお金になったのはわりと最近。昭和、それも戦後からと言われています。
そもそもなぜ、お年玉という風習が始まったかというと、おもちには年神様の魂が込められていると考え、家長が鏡餅を割って、家族などに餅玉を分け与え、年神様の生きるチカラをみんなでいただくという始まりだったそうです。※諸説あります。
年魂(としだま)➡御年魂➡御年玉 (年=年神様 玉=魂)
・・・なのでお年玉というとのこと。
ところで、小中学生のお年玉の平均額はいくらでしょうか?
全体平均は24,424円
小学生 21,382円 中学生 30,507円
出典:バンダイこどもアンケート「小中学生のお年玉に関する意識調査」
子どもたちのお年玉の使い道の1位はなんだと思いますか?ちなみに2位以降は、2位ゲーム機・ゲームソフト 3位おもちゃ・カードゲーム 4位文房具・雑貨 5位書籍(マンガ以外)となっています。
答 貯金 (出典:バンダイこどもアンケート「小中学生のお年玉に関する意識調査」)
予想はしてました。しっかりしてるし堅実です。
⑩干支
クイズからスタートです。
お正月クイズ!
干支は全部でいくつある?
A:12 B:24 C:60 D:1800
「どういうこと?12じゃないの?」って思った方も多いのでは?
答 C: 60
干支には十二支以外に十干(じっかん)というのがあります。
十干
甲(こう、きのえ)、乙(おつ きのと)、 丙(へい、ひのえ)、 丁(てい ひのと)、戊(ぼ つちのえ)
己(き つちのと)、 庚(こう かのえ)、辛(しん かのと)、壬(じん みずのえ)、癸(き みずのと)
十二支と十干を組み合わせていくと、全部で60種類(十干十二支)になります。
十干の干と十二支の支を合わせているので干支という。
ちょっぴりややこしい!
そもそも十干と十二支って何でしょうか?
十二支
昔の中国で暦や時間などに使用。
中国の発案者がみんなに覚えてもらうように12の動物をあてた。
では十干は何に使っていたというと・・・➡十二支と合わせて日付を表すものとして使われていました。
あの名前の由来も干支だった!
春と夏の高校野球 甲子園 甲子(きのえね)に球場が作られたからそう名付けられた。
幕末の戊辰戦争(1868年) 戊辰(つちのえたつ)辰年のつちのえに起こったから。
なるほどー、興味深いです。
赤いちゃんちゃんこも干支が関係していていました。還暦とは暦を1周し、赤ちゃんに戻ることだから。
生活に密着していますね。
⑪正月飾りはいつしまうほうがいい?
クイズからスタートです。
お正月クイズ!
正月飾りはいつしまうほうがいい?
A: 1月4日 B: 松の内まで C: 1月10日 D: 1月中
答 B: 松の内まで
松の内というのは、年神様が降りてきている期間のことです。
では年神様とはどんな神様でしょう?
年神さま(歳神さま)は地域によって、歳徳神、とんどさん、恵方神、お正月様、トシドンなどなど…さまざまな呼ばれ方があるお正月の神様です。
お正月の行事のさまざまな場面で登場される「年神さま(歳神さま)」ですが、お正月になると各家々にやってきて、その家のその年1年を守り統べる神様だといわれています。
松の内とは、地域によって違うんです。
関東圏・・・7日まで 関西圏・・・15日まで ※地域の風習で他の日もあります。
昔の松の内の期間は?
全国・・・15日まで
鏡開き・・・20日
だったのですが、江戸時代に鏡開きの1月20日が将軍の月命日になってしまい、鏡開きは1月11日に変更されました。
そして松の内を避けるために、1月7日をもって飾り納めというお触れが出た。
なので、将軍のお膝元の関東は7日になったという説がある。
他にもこんな説が!明暦の大火(1657年1月18日)は江戸が3日も燃え続けたといわれています。門松や松飾りも燃えやすいものということで、火事を広めないためにも早くしまう必要があるとなり、7日になったという説です。
現実的な説ですよね。
⑫正月飾りの処分はどうすればいい?
正月飾りは神社などでお焚き上げをしてもらうことが多いです。(来年も使うことはNGですよ)
どんど焼(※地域によって呼び方が違う 一年の豊作・大漁・無病息災などを祈る火祭り)で焼くのが一般的な処分方法ですが、実は家庭の一般ごみで出すこともできます。
正月飾りの簡単な処分の仕方(一般ごみとして出す方法)
1.正月飾りを塩で清める。
2.大きな紙で包む。(新聞紙でも可)
3.別の袋に入れ一般ごみに出す。
※地域のゴミの出し方に従ってください
最近どんど焼をするところが減ってきています。
都心部で大規模な焚き火をすると近所から苦情が来たりするのも一因のようです。
少子高齢化で担い手不足というのもあります。
上記の処分の仕方、よろしかったらご参考になさってください。
⑬初詣は神社とお寺どっちに行ったほうがいい?
クイズからスタートです。
お正月クイズ
初詣は神社とお寺どっちに行ったほうがいい?
A: 神社 B: お寺 C: どっちでもいい D: 両方行くべき
答 C: どっちでもいい
神社とお寺、どちらも同じくらいの数の参拝者がいます。
日本で古くから続く民族宗教、神道(しんとう)。神社をはじめ自然のあらゆるところに神様がいるという考え方をします。
その神道の神様を祀っているのが神社です。
一方で、仏教の仏様を祀っているのがお寺。
名前の最後にこれらがつくのが神社➡ 大社 稲荷 神宮 八幡 天神
これらがつくのがお寺➡ 薬師 大師 不動尊
お寺の種類
大師・・・弘法大師をまつった寺
不動尊・・・不動明王をまつった寺
薬師・・・薬師如来をまつった寺
神社とお寺の呼び方、整理ができました。
⑭初詣はいつまでに行ったほうがいい?
クイズからスタートです。
初詣はいつまでに行ったほうがいい?
A: 松の内の期間 B: 1月中 C: 自分の誕生日 D: いつでもいい
答 A: 松の内の期間(絶対というわけではないが、松の内までが一般的)
ところで、元日にお金を使っていいのはお賽銭の時だけだそうです!(一年の計は元旦にあり)
一年の計は元旦にあり 一年の計画は元旦に立てることが大切
元旦に散財すると、その年は出費が増えてしまうと考えられました。
参拝のあとは神様からいただいた福を逃してしまわないようにするためにも、初詣の参拝後は寄り道をせず帰宅するのがいいそうです。(昔の風習)
⑮初詣のお賽銭、いくら入れればいい?
みなさんは、お賽銭はいくら入れていますか?
5円(ご縁)が一般的な気がしますが、こんな意見がありました。
15円 十分なご縁がありますように
25円 二重に後円がありますように
500円 ご縁が100倍ありますように
29451円(福よ来い)という小切手を入れる人もいる
その時の気分
お賽銭は本来 願い事が叶ったお礼に神仏に捧げるお金だそうです。 ※諸説あります。
金額が多いほうがご利益があるというわけではありません。
お賽銭の全国平均額は、605円だそうです。
お賽銭の平均額が高い都道府県はどこだと思いますか?2千円を越える太っ腹な地域もあるんです!
お賽銭の平均額が高い都道府県
1位 三重県 2323円 伊勢神宮のお膝元というのが関係している?
2位 福島県 1487円
3位 青森県 1368円
出典:引越し比較・予約サイト「引越し侍」(2015年)
実は伊勢神宮は、個人的なお願い事をしてはいけないところ。
国家安泰を祈願するところであって、個人的なお願い事をする人は伊勢神宮の内宮の中にそのための神社というのがあります。
そこにお賽銭箱があるので、お賽銭を入れて家内安全などを願うのです。
⑯お正月の遊び
お正月の遊びといえば、凧あげ こままわし 羽つき 福笑い かるた すごろく・・・
お正月遊びはただの遊びじゃなく、縁起のいい意味があります。
凧あげ 天高くあげて男の子の健康成長を願う
こままわし お金が回る 物事が円滑に回る
羽つき 一年の厄をはね、子どもの健康成長を願う
福笑い「笑う門には福来たる」 門=家・家族
(おかめ 福を招く神様 ひょっとこ 火を守る神様) ※諸説あります。
あまり見かけなくなりましたが、こういう意味があったのですね。
⑰出初式
出初式とは、消防関係者の仕事始めとして新年に行われているものです。
その起源は、江戸時代の火災で絶望した人々を激励するためと言われています。 ※諸説あります。
⑱破魔矢・獅子舞・晴れ着・ハレ
それぞれの意味をご紹介します。
破魔矢 「災いを破る」「幸福を射止める」
獅子舞 噛みつく➡神がつく
晴れ着 ハレの日に着る着物=晴れ着(ハレとケがあり、ハレは非日常 ケは日常)
ハレ・・・お正月 七五三 結婚式 祭り 成人式(それ以外の日常はすべてケ)
孫の記念すべき晴れ舞台とか、結婚式のスピーチではハレの門出を祝って、という風に使いますね。
ハレの日。いつもと違う日にはいつもと違う食事にし、食器を変え、服装を変え、気持ちを新たにし、生活にメリハリをつけていました。
ハレの日の中で一番特別なのがお正月です。
⑲あけましておめでとうございますは、何に対しておめでとうと言ってる?
あまりに定番の言葉ですが、確かに何に対してなのでしょう。
天皇陛下?干支?新しい年に?
答は、無事に歳を重ねたことに対して。
昔は数え年といって、生まれた時が1歳でした。
後に、年齢に関する法律が定められ、数え年は薄れていきました。
あけましておめでとうございますは、無事に歳を重ねたことへのお祝いの言葉なのです。
次からはそういう気持ちで、「あけましておめでとうございます」と言いたいです。
お正月のいろいろなことを知ることが出来ました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。