『林先生の初耳学』に、仮面ライダー俳優として人気の岩永徹也さんが出演されます。
薬剤師の資格を持つ岩永徹也さんが、薬の意外な歴史を話してくれます。
今では考えられない「歴史に残る恐怖の処方せん」があるそうですよ。
今回は、便秘には水銀が効くなど、今の常識では考えられないけれども実際にあったお話をご紹介します!
便秘には水銀?
水銀は水銀製剤として、16~19世紀に欧米などで便秘薬として使用されていました。
便秘以外にも、気分の落ち込み、梅毒、インフルエンザ、寄生虫など、どんな症状であれ、とりあえず水銀を飲めと言われた時代があったというのです。
万能薬のように考えられていたのですね。
水銀は見た目が銀色で神秘的です。また、英語ではMercury.
ローマ神話の神様の名前です。
元素で神様の名前がついているのは水銀だけ。それも薬とありがたがられた一因です。
ナポレオンもエドガー・アラン・ポーもリンカーンも水銀製剤を愛用、または一時期使用していたといいます。
確かに、ナポレオンはその遺体を解剖された時、大量の水銀が発見されたというのは有名で、それが原因で他殺という説もありましたが、逆に健康のために水銀を摂取していたのかもしれません。
16世紀から19世紀初頭まで愛用されていたのは、カロメルと呼ばれる水銀の塩化物のひとつです。
服用すると胃がムカつくことがあり、強力な下剤効果を発揮し、お腹を壊してトイレに駆け込むことになります。
それだけではなく、口からも大量の唾液が分泌されます。これは、水銀中毒の症状です。
16世紀の著名な医学者パラケルススは、唾液が1.5リットル以上分泌された状態を水銀の適度な服用量とみなしていたといいます。
今の常識では完全に危険な状態なのですが、当時の人達は唾液に混じって大量の毒素が流れ出していると考えていたので、それが身体にいいと判断していました。
また、便秘が病気を引き起こすと考えていたので、下剤的効果によって悪いものが外に出るとして歓迎されたのです。
傷薬にヒ素?
傷口にヒ素を塗ると、その部分が壊死します。これを、傷が治ったと捉えている時代がありました。
また、ヒ素が美容クリームとして使われていたとか。
さらに肌に効果があるようにと、ヒ素をパンに塗って食べることも一般的だったそうです。
恐ろしすぎます。
夜泣きにはアヘン?
これは番組には出てきませんでしたが、、、
アヘンが子どもの夜泣きやぐずりに使われていた時代もあるそうです。
エジプトでは1400年代から20世紀まで、教科書に子どもの夜泣きやぐずりには、アヘンとモルヒネの調合薬がきくと書いてあったといいます。
にわかに信じられないですが、あまり使われていなかったことを願います。
水難者にタバコ?
次は、もうおまじないと言ってもいいくらいの根拠のない医療行為です。
なぜか水難者のお尻の穴にタバコの煙を注入するという治療です。
体にタバコの煙を注入すると、体を温めて呼吸器を刺激できると考えた人がいて、多くの人が実践したそうです。
もちろん何の効果もないですし、溺れて生死に関わるときにタバコの煙をお尻の穴から入れている光景を想像すると、なんとも虚しい気持ちになりますよね。
この医療行為は、18世紀頃に実際に流行していたといいます。
歴史を紐解くと、まだまだたくさん、身体によかれと思って害のあることが実行されていたことがわかります。
今の時代で良かった・・・と思ってしまいます。
医学が発展して良かったです、ほんとに。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。