新型コロナウイルスの流行で、イタリアの感染者数が韓国に次ぐ2位となっていることがわかりました(中国を除く)
欧州最大の感染国となったイタリアでは9日現在、感染者は7375人、死者は366人となりました。
今回は、なぜイタリアでここまで新型コロナウイルスの感染者が増加したのか調べました。
新型コロナウイルスがイタリアで感染者が多いのはなぜ?
イタリアでは特に北部に感染が広がっており、与党・民主党のニコラ・ジンガレッティ党首も感染したことを公表しました。
イタリアの感染者数は2月末から下のグラフのように膨れ上がり、ミラノのある北部ロンバルディア州(人口1000万人)は4月上旬まで閉鎖される見通しです。
中国武漢で始まった新型コロナウイルスの感染がイタリアで猛威を振るっている理由として、以下のことが考えられます。
1.新型コロナウイルスがすでに欧州に侵入していたが、症例がごくわずかで季節性インフルエンザと症状が似ているため検出されなかったが、ここにきて新型コロナウイルス感染者として検出されるようになった。
2.ハグやキス(チークキスなど)の文化によるもの。
3.PCR検査で多くの人を検査したため多くの症例が見つかった。
1に関しては、1つのセオリーとして有識者や医療関係者の中で可能性の1つとして挙がっているものです。
2に関しては、新型コロナウイルス感染者の多いイタリア北部では他の地域に比べてハグをする回数は少ないという背景があり、信ぴょう性は薄いと考えます。さらに加えると、南イタリアではキスしてハグする男性を見かけますが、北イタリアでは基本的にそのようなことはしないとのこと。北部と中部・南部ではハグ、キス、握手、感情の出し方など、地域差があるようです。
3に関しては、イタリアのジュゼッペ・コンテ首相とウイルス学者イラリア・カプア博士と疫学者ピア・ルイージ・ロパルコ博士はPCR検査で多くの人を検査したため多くの症例が見つかったと説明しました。しかし欧州の他の国が検査数を公表していないため、はっきりしたことは分かりません。
PCR検査については、日本に当てはめて考えると、日本での感染者数がイタリアよりもかなり低い数を保っているのは、単にPCR検査数が少ないためとも考えられます。
この可能性はかなり懸念され、他国においてもPCR検査数により感染者数の数が左右される事態も考えられます。
イタリアがこれまで新型コロナウイルスに対して行った対策は?
“欧州の武漢”とまで言われるようになってしまったイタリア。
これまでに新型コロナウイルスに対して、どのような対策をとってきたのでしょうか?
イタリアでは1月22日、保健省の指揮の下でタスクフォースが設置され、各種情報収集や国際機関、専門機関などとの連携、また国内での予防対策などが進められていた。
ローマのフィウミチーノ空港には武漢からの直行便が週3回就航しているほか、中国全土からはローマのフィウミチーノ空港に週34便、ミラノのマルペンサ空港には週25便就航しており、中国から到着した便については、着陸後に係員が機内に乗り込み、発熱などの症状がないか確認し、疑わしいケースについてはすぐに隔離させるなどの水際対策が取られていた。
また、搭乗者に対しては旅程や行き先などを提出させていた。
しかし、世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を発表したことを受けて、1月31日にイタリア政府も非常事態宣言を発した。
また、中国とイタリアをつなぐ全ての便を停止とすることを発表した。
ロベルト・スペランツァ保健相も「2003年にSARSが発生した時と同様、必要な予防措置を講じ、国内の警戒レベルも高めていく」と表明している。
国際的連携や、国内での予防対策、隔離などの水際対策に非常事態宣言。
現場の詳細はわかりませんが、感染を防ぎ、広めないようにする努力のあるなか、イタリアで飛び抜けて感染者数が増えた理由はまだ明らかになっていません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。